酵母の育て方は十人十色
「酵母を育てる瓶と蓋(ラップ)の関係」そして「酵母を育てる時の水の量と空気の関係」について気になり、調べていくうちに気づきました。
酵母の育て方って、本当に十人十色なんだなあと。
ある方が成功されているやり方で、別の方は失敗していたり。
ある方が失敗したやり方が、別の方では何年もの間成功するやり方であったり。
いろんな蓋のパターンを例示すると、
●密閉型の金具付き瓶で完全密閉する。
●普通に回すタイプの蓋をする。
●瓶にはラップをして輪ゴムで空気を入れないように固定する。
●ラップには楊枝で穴をあけておき、ふわっと空気が入るようにかけておく。
●アルミホイルで蓋口を覆う。
●ラップでその都度落とし蓋をし、回すタイプの蓋も閉める。
ざっとこれだけのやり方がありました。
これだけやり方があり、「成功しました」「これがいいですよ」といたるところで別のことを言われてしまうと、きっと初心者の方は迷ってしまうことでしょう。
僕は瓶にラップと輪ゴム、プラスティックカップにラップと輪ゴム、そして瓶に回すタイプの蓋を閉める、この3パターンを試したことがありますが、すべて成功しました。ちなみに「しゅぽっ」という酵母完成の合図の音が聞けるのは、瓶に回すタイプの蓋を閉めた場合のみでした。
ですので、初心者の方には「酵母完成の合図」が分かりやすい方がいいと思うので、最初は蓋を回して閉めるタイプの瓶をおすすめいたします。
詳しい初心者向け酵母ガイドはこちら▶初心者向け自家製天然酵母ガイド!簡単な作り方&憧れルヴァン種も!
酵母をたくさんつくり、どれくらいのしゅわしゅわ加減ならすでに酵母が完成しているのか見極められるようになったら、ラップや輪ゴム、カップなどで応用していっても良いでしょう。正解はないと思います!
現に、いろんな方がいろんなやり方で、びっくりするような酵母を起こしていたりしますから(笑)最近糠床から酵母を起こしてパンを焼いている方がいらっしゃいましたよ!糠床で酵母って、さすがは僕の憧れの方~~~笑
酵母を育てる瓶と蓋の関係
※まず、酵母を育てる瓶も蓋も、煮沸消毒することは基本中の基本です。ここを怠ると雑菌が繁殖して可愛い酵母もサヨナラしなくてはならなくなります。それはもったいない!ですので絶対お水から瓶と蓋を鍋に入れ、ぼこぼこ沸騰させてください。※
さて。酵母と蓋の関係について考えてみたのですが、蓋が密閉式や回す式の場合、外から空気が入ってきません。最初にあった空気を使い尽くしてしまったら、酵母たちは空気を使って糖を分解(エネルギー代謝)できなくなるため、自ら「アルコール発酵」というものをしてエネルギーを作り出します。この過程でエキスの中に若干のアルコール分が生成されます。
詳しくはこちらで説明しています▶夏に自家天然製酵母パンの酸味が増す原因と酸っぱくしないコツとは?
酵母は「好気性の菌」なので、エネルギー代謝をして繁栄(増殖)していくためには空気が必要です。なので1日に数回瓶を振って蓋をあけ、空気を吸わせてあげますよね。それなら「ラップに穴をあけたり、ラップを空気が入るようにふんわりかぶせてあげる方法がいいんじゃ?」と思うことでしょう。僕も思いました(笑)
しかも酵母菌以外のほとんどの菌は「嫌気性」と言って、空気に触れることを嫌います。ますます積極的に空気を取り入れた方がいいのでは?と思ってしまいますよね。それなのになぜ、酵母の作り方の本などでは「密閉瓶」が推薦されているのでしょうか?
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いろんな場所で調べて、一番納得のできた答えを総合すると、
1、酵母を作る初期には、酵母菌と雑菌が1つの瓶の中で勢力争いをしている。ただし、もともと果物などについていた酵母菌は、その果物と共に瓶に入れられているので他の菌よりも少し有利な状態。
なので密閉し、酵母に有利な温度や空気管理をしてあげることで、他の菌よりも酵母菌を活発に育て、他の菌が働けなくしてしまう必要がある。しかし、最初から空気や雑菌が入り放題の環境を作ってしまうと、酵母有利な勢力図が崩れ、雑菌に軍配が上がる可能性がある。よって、密閉する。
2、また、空気が密閉環境で消費されると、先ほど説明したようにアルコールが生成されます。このアルコールにも、実は他の菌を抑制する効果があります。同時に、酵母にはアルコールに対するある程度の耐性があるため、アルコール発酵をしたからNGというわけではありません。
実際に僕もワインのような香りの酵母で元種も作れたし、パンも美味しく焼けました。ただし、アルコール発酵した酵母は、そのまま空気を与えずにアルコール発酵し続ける状態にすると、そのうちそのアルコールをエサにする酢酸菌にやられてしまう可能性があります。こうなると酸っぱくなりますし、いわゆる「お酢」になっていってしまいますね。
このような理由で、瓶+蓋が推薦されていると考えられます。
しかし金具付きの密閉容器だと、「しゅぽっ」という音が金具の音で聞き取りづらい場合があるようなので、回すタイプの蓋で作ってみることをおすすめします。
これですと、中で元気に発酵している場合、中からガスが漏れようとして、蓋が「じじっ・・・じじっ・・・」と小さく空気を漏らしながら蓋を押し開けようとしたりします。
その音でも、「あ、酵母元気!そろそろ完成!」と感じることができます。もちろんこれくらいになると、蓋を開けると清々しい音で「しゅぽっ!」と聞くことができますよ^^
良く振って→蓋を開けてくださいね♪この音は病みつきになります^^
酵母を作る時の水の量と空気の関係
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次に、酵母を作る際の水の量についてです。これも本やサイトによって様々な水の量が推薦されており、迷ってしまいますよね。「300ml」と書かれていても、手持ちの瓶の大きさによっては空気の量が変わってきてしまいます。
素材と水を合わせても瓶の半分くらいの位置までしか入れられていない方。
水は瓶の蓋ぎりぎりまで入れましょう、という方。
本当に十人十色!笑
さて、どうしましょうか?
僕はだいたい、どんな瓶を用意しても、その瓶の最低でも1/3くらいまで材料を入れ、水は上から1cmくらいにしています。それくらいあければ、空気が入る隙がありますからね。さすがに上までいれたら、酵母が苦しそうなので。
それに、振ったとき元気な酵母がしゅわしゅわぶくぶくして爆発しそうでもあります。なので、ぶくぶくしても爆発しなさそうな線として、僕はいつも1㎝は空けるようにしています。
とはいえ、これも人それぞれ(笑)
ちなみに、僕は果物の酵母は1/3以上入れられるときはいくらでも詰めます(笑)だって果物の香りが濃い素敵な酵母になりそうだから~~~!
ということで、素材の量は少なすぎたら酵母の絶対数が少ないので、少なくとも瓶の1/3以上を目指し、水は瓶口ギリギリだと空気不足で苦しいのである程度空気の分を余裕を持ってとってあげましょう^^
僕流ですが、初心者の方は「そっか、こういう理屈もあるのか~」程度に参考にされてみてください^^ いろいろ分かってくると、何をどう改善したらいいかを考えることができ、酵母づくりやパン作りがもっと楽しくなってきますね!
今日も僕の記事を読んでくださり、ありがとうございました^^
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